老後資金は本当にいくら必要なのか|60代のお金と人生を考える

60代が近づいてくると、お金のことが急に現実味を帯びてきます。

■ 年金
■ 貯金
■ 退職金
■ 医療費
■ これからの生活費

若い頃にもお金の不安はありますが、60代前後になると、その不安の質が少し変わってくるように思います。

  • これからまだ働けるのか。
  • 年金だけで生活できるのか。
  • 貯金はどれくらいあれば安心なのか。
  • 病気や介護が必要になったらどうするのか。

テレビやインターネットでは、「老後2000万円問題」や「老後資金不足」といった言葉もよく目にします。

もちろん、お金は大切です。

ただ、本当に全員が同じだけのお金を必要とするのでしょうか。

そして、老後資金の金額だけを考えていれば、安心して60代以降を過ごせるのでしょうか。

老後資金への不安は、誰もが感じるもの

60代になると、多くの人がお金の不安を感じます。

それは決して特別なことではありません。

例えば、

  • 定年や再雇用による収入の変化
  • 年金だけで生活できるのかという不安
  • 物価上昇による生活費の増加
  • 病気や介護への備え

こうしたことが重なり、お金のことを考える機会が増えていきます。

お金の不安というのは、考え始めるとどこまでも広がっていきます。

だからこそ、まず大切なのは、

「不安になる自分はおかしい」と思わないこと。

60代を前にしてお金のことが気になるのは、ごく自然なことだと思います。


関連:老後資金が不安な人は何から考えればいいのか|50代・60代からできる現実的な備え方

老後に必要なお金は、人によって違う

老後資金の話になると、よく「いくら必要なのか」という話になります。

もちろん、目安となる金額を知ることは大切です。

けれど、私はそこだけに振り回されすぎるのも違うように感じています。

なぜなら、老後に必要なお金は、人によって大きく違うからです。

  • 持ち家か賃貸か
  • 車を持つか持たないか
  • 一人暮らしか夫婦二人か
  • 趣味にお金を使うか
  • 旅行を楽しみたいか
  • 家族構成はどうか

これだけでも、必要な金額はかなり変わってきます。

さらに、今までの生活レベルもあります。

一度身についた生活習慣を急に下げることは簡単ではありません。

だから老後資金を考える時は、

「世間ではいくら必要と言われているか」

だけではなく、

「自分はどんな暮らしをしたいのか」

を考えることが大切なのだと思います。

お金はあるに越したことはない

私は、お金はあるに越したことはないと思っています。

きれいごとではなく、現実としてお金は必要です。

お金があれば選択肢は増えます。

病気になった時。
家を直したい時。
旅行に行きたい時。
誰かに頼みたい時。

お金があることで、できることは確かに増えます。

だから、お金を軽く考える必要はありません。

ただ一方で、

いくらお金があっても、動けるうちに使わなければ意味がない。

最近は、そんなことも考えるようになりました。

若い頃は、とにかく収入を増やしたいと思っていました。

しかし年齢を重ねるにつれて、お金だけではなく、

・時間
・健康

の価値も大きいと感じるようになりました。

貯めることだけが目的になってしまうと、いつの間にか人生を楽しむ時間まで失ってしまうことがあります。

もちろん、無計画に使えばいいという話ではありません。

ただ、

● 何歳まで働くのか。
● 何歳から自分の時間を楽しむのか。
● どこまで貯めれば自分として納得できるのか。

そこは、一人ひとりが考えておく必要があるのではないでしょうか。

まずは今の生活費を知ることから始める

老後資金を考える時、最初にやるべきことは将来を大きく予想することではないと思います。

まずは、今の生活費を知ることです。

  • 食費
  • 光熱費
  • 通信費
  • 保険料
  • 車関係の費用
  • 趣味や交際費

こうした支出を見ていくと、自分の暮らしの形が見えてきます。

漠然と「老後が不安」と思っている時は、不安ばかりが大きくなります。

けれど、実際に数字を書き出してみると、

・ここは必要
・ここは少し減らせる
・これは自分にとって大事な出費

ということが見えてきます。

お金の不安は、頭の中だけで考えていると大きくなります。

紙に書く。
数字にする。
現実を見る。

それだけでも、不安の形は少し変わってくると思います。


関連:老後のお金と暮らしの不安

元気に出かけられる時間には限りがある

最近、年老いた両親を見ていて感じることがあります。

人にもよるとは思いますが、75歳くらいまでは泊まりを伴う旅行や遠出も比較的楽しめるように見えます。

ところが、それ以降になると少しずつ日帰りや近場のお出かけが中心になっていくように感じます。

80歳を過ぎると、外に出かけること自体が一仕事になります。

出かけることは楽しみでも、帰ってくると本当に疲れた、という感じになる。

そういう姿を見ると、出かけられるのは健康な体と元気があってこそだと感じます。

お金があっても、体が動かなければ遠くには行けません。

時間があっても、気力がなければ楽しむことは難しくなります。

だから私は、60代というのは、ただ老後に備える時期ではなく、人生を楽しみ始める時期でもあるのではないかと思っています。

いつまで仕事中心の生活を続けるのか

最近は人手不足もあり、再雇用制度が広がっています。

65歳まで働く人も増えていますし、今後は70歳くらいまで働くことがさらに当たり前になっていくのかもしれません。

その気になれば、体が動くうちは働ける環境も少しずつ整ってきています。

それ自体は悪いことではありません。

  • 働ける場所があること
  • 収入を得られること
  • 社会とのつながりを持てること

これらは、とても大切なことです。

ただ、仕事がこの世で一番好きという人以外は、一度考えてみてもいいのではないでしょうか。

自分は、一体いくつまで仕事中心の生活を続けたいのか。

いつまでも働けるからといって、寝込むまで働き続け、仕事中心のまま人生を終える。

それは私個人としては少し寂しい気もします。


関連:定年後の働き方|無理なく続ける仕事の考え方

老後資金は「金額」だけで決まらない

老後資金は本当にいくら必要なのか。

この問いに、誰にでも当てはまる正解はないと思います。

必要な金額を考えることは大切です。

しかし、それ以上に大切なのは、

「自分は60代以降、どんな暮らしをしたいのか」

を考えることです。

その答えによって、必要なお金も変わってくるからです。

お金だけでは安心できない

お金は大切です。

でも、お金だけでは安心できません。

どれだけ貯金があっても、健康を失えば不安は残ります。

どれだけ年金があっても、毎日話す相手がいなければ寂しさは残ります。

どれだけ自由な時間があっても、やりたいことがなければ時間を持て余してしまうこともあります。

私自身が60代で大切だと思うものを挙げるなら、

  • 最低限の生活を維持できるお金
  • 健康
  • 時間

この順番でしょうか。

仲間や生きがいも大切です。

ただ、それらも結局は自分で育てていくものなのかもしれません。

60代は、備える時期であり、楽しみ始める時期でもある

私自身、来年には60代になります。

正直なところ、不安が全くないわけではありません。

それでも、残された人生を不安ばかりで過ごすのではなく、できるだけ楽しみながら生きていきたいと思っています。

60代は老後に備える時期です。

・生活費を確認する
・年金額を確認する
・働き方を考える
・健康管理をする

そうした現実的な準備は必要です。

ただ、それだけで終わってしまうと、60代は不安に備えるだけの時間になってしまいます。

私は、60代は同時に人生を楽しみ始める時期でもあると思います。

  • 小さな旅
  • 気の合う人との時間
  • 地域との関わり
  • 学び直し
  • 趣味
  • 自分のペースで働くこと

そうしたものを大切にすることも、60代以降の大事なテーマなのではないでしょうか。

老後資金は本当にいくら必要なのか。

この問いに簡単な答えはありません。

だからこそ、世間の数字だけに振り回されすぎる必要はないと思います。

まずは、自分の今の生活費を知ること。

そして、これからどんな暮らしをしたいのかを考えること。

その上で、必要なお金、必要な働き方、必要な準備を考えていけばいいのではないでしょうか。

お金は大切です。

でも、お金だけが人生ではありません。

健康で動ける時間には限りがあります。

だからこそ60代は、ただ不安に備えるだけではなく、
自分の人生を少しずつ楽しみ始める時期でもあるのだと思います。


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