人生は「足し算」より「引き算」が大切になる
若い頃は、
人生は「足し算」だと思っていました。
- 勉強をする
- 資格を取る
- 仕事を覚える
- 収入を増やす
- 友人を増やす
- 経験を積む
人生は、
いろいろなものを積み重ねながら前へ進んでいくものだと思っていました。
もちろん、
それは決して間違いではありません。
若い頃は、
足し算をしながら成長していく時期なのだと思います。
しかし、
年齢を重ねるにつれて、
少し考え方が変わってきました。
人生は、
足し算だけでは前へ進めないこともあるのです。
年齢を重ねるほど「引き算」が必要になります
若い頃は、
体力も時間もありました。
多少無理をしても、
何とか乗り越えられたものです。
でも、
60代になると、
そうはいきません。
時間にも限りがあります。
体力にも限りがあります。
だからこそ、
何でも抱え込むのではなく、
自分にとって本当に必要なものを考えるようになります。
「引き算」と聞くと、
何かを諦めることのように感じるかもしれません。
でも、
私はそうは思いません。
本当に大切なものを残すために、
余分なものを減らしていく。
それが、
人生における引き算なのだと思っています。
関連:人生を考える7つの視点|ご縁・過去・時間・生きる力から見えてくるもの
歩き遍路は「引き算」を教えてくれました
私が四国を歩いて感じたことがあります。
それは、
歩き遍路は究極の「引き算」だということです。
歩き遍路では、
背負う荷物をできるだけ少なくすることが基本になります。
荷物が軽いほど、
身体への負担は少なくなります。
その分、
遠くまで歩くことができます。
一般的には、
リュックの重さは6〜7kg程度が理想と言われています。
ところが、
初めて歩く人ほど、
「念のため。」
「何かあった時のため。」
と思って荷物を増やしてしまいます。
すると、
あっという間に10kg近くになってしまいます。
私も、
その気持ちはよく分かります。
でも、
実際に歩き始めると、
その重さが肩や腰に大きな負担になります。
途中で、
「これは必要なかった。」
と気付き、
荷物を自宅へ送り返す人も少なくありません。
歩き遍路には、
こんな言葉があります。
「背負う荷物は、あなたの煩悩の数。」
本当にそうなのかもしれません。
「あれば便利だろう。」
そう思って持ってきた物ほど、
最後まで使わないことも多いのです。
人生も、
少し似ているような気がします。
欲まで手放す必要はありません
ここで誤解してほしくないことがあります。
私は、
欲までなくした方がいいとは思っていません。
むしろ、
欲は人が成長するために必要なものだと思っています。
もっと良くしたい。
挑戦してみたい。
誰かの役に立ちたい。
そんな気持ちがあるからこそ、
人は努力します。
社会も発展してきました。
もし、
人間から欲がなくなってしまったら、
新しい技術も、
新しいサービスも生まれません。
だから私は、
欲は死ぬまで持ち続けていたいと思っています。
ただ、
欲と同じくらい大切なのが、
「分相応」という考え方です。
- 自分の体力
- 自分の時間
- 自分の収入
それらに見合った生き方を考える。
欲だけが大きくなれば、
無理をしてしまいます。
分相応だけを考えれば、
挑戦しなくなってしまいます。
私は、
この二つのバランスを大切にしながら生きていきたいと思っています。
歩き遍路で気付いた、本当の幸せ
歩き遍路をしていると、
普段は当たり前だと思っていたことが、
実はとても幸せなことだったと気付かされます。
温かい食事。
一日の疲れを癒やすお風呂。
そして、
雨風をしのぎ、
安心して眠れる寝床。
この三つがあるだけで、
「今日は幸せだった。」
そう思える日が何度もありました。
衣・食・住。
人が生きていくために必要な、
昔から変わらない基本です。
もちろん、
それだけで人生のすべてが満たされるわけではありません。
家族や友人とのつながり。
見ず知らずの人からいただく、
お接待の温かさ。
「頑張ってください。」
その一言だけで、
もう少し歩いてみようと思えた日もありました。
人とのつながりや、
助け合い、
感謝の気持ち。
そうした心の豊かさも、
人生には欠かせないものなのだと思います。
関連:60代からの人生をどう生きるか|自分らしい幸せの見つけ方
俗世間に戻れば、また欲も出てきます
歩き遍路を終えて家へ帰ると、
また普段の生活が始まります。
便利なものが欲しくなったり、
もっとこうしたいと思ったり。
歩いていた頃には感じなかった欲も、
少しずつ戻ってきます。
でも、
それも人間なのだと思います。
だから、
欲をなくそうとは思いません。
欲は、
挑戦する力になります。
前へ進もうとする原動力にもなります。
ただ、
欲だけが大きくなってしまうと、
自分の身の丈を超えた無理をしてしまいます。
だからこそ、
欲と一緒に忘れてはいけないのが、
「分相応」という考え方なのだと思います。
自分の体力に合った暮らし。
自分の収入に合った生活。
自分の時間を大切にする生き方。
私は、
それくらいがちょうどいいと思っています。
本当に大切なものだけを残していく
年齢を重ねるほど、
人生は「足し算」より「引き算」が大切になる。
そう思うようになりました。
もちろん、
何を減らすべきかは人それぞれです。
正解はありません。
だから、
「これを捨てれば幸せになれる。」
そんな単純な話でもありません。
ただ、
自分にとって本当に大切なものが見えてくると、
自然と必要のないものは減っていく。
そんな気がしています。
- 健康
- 仕事
- 好きなこと
- 人とのつながり
私にとって残したいものは、
結局この四つでした。
そして、
今の私が一番幸せだと感じるのは、
時間を自由に使えることです。
仕事をしながら、
歩きたい日に歩く。
学びたい時に学ぶ。
誰かの役に立ちたいと思った時に、
行動できる。
そんな毎日を送れることが、
今の私にとって一番の豊かさなのかもしれません。
人生は、
持つものが増えるほど豊かになるとは限りません。
年齢を重ねるほど、
本当に大切なものだけを残していく生き方もあるのだと思います。

