働けなくなったらどうする|40代・50代が今から考えたい現実的な備え
毎日仕事へ行き、家族の生活を支える。
住宅ローンや生活費を払い、子どもの教育費を準備しながら、何とか毎日を回している。
そんな生活を続けていると、
「もし、自分が働けなくなったらどうなるのだろう」
と考えることがあります。
働けなくなる理由は、定年だけではありません。
- 病気
- ケガ
- 心身の不調
- 家族の介護
- 会社の倒産
- リストラや雇い止め
- 年齢による体力の低下
どれも、特別な人にだけ起こることではありません。
それまで普通に働いていた人が、ある日突然、仕事を続けられなくなることもあります。
働けなくなった時、一番困るのは収入が止まること
働けなくなることで最も大きな問題になるのは、収入が減ったり、なくなったりすることです。
仕事には、やりがいや生きがい、人とのつながりなど、さまざまな意味があります。
しかし、最も基本的な役割は、生活するための収入を得ることです。
自分一人の生活だけであれば、支出を抑えたり、暮らし方を変えたりすることで対応できる場合もあります。
けれども、
- 家族の生活費
- 住宅ローン
- 子どもの学費
- 車の維持費
- 親の介護費用
などを抱えている時期は、簡単に支出を減らせるものではありません。
特に40代から50代前半は、収入が必要な一方で、家族にかかるお金も増えやすい時期です。
そのため、
「今の収入が止まったら、生活はどのくらい持つのだろう」
という不安は、決して大げさなものではありません。
自分だけは大丈夫とは限らない
健康で働いている時には、自分が仕事を続けられなくなる姿を想像しにくいものです。
私自身も、仕事中に体調を崩し、入院した経験があります。
それまで普通に働いていたのに、突然、仕事や今後の生活について考えなければならなくなりました。
入院をきっかけに、自分の健康や働き方、これからの人生について考え、その時に勤めていた会社を退職しました。
もちろん、体調を崩した人が全員、仕事を辞める必要があるわけではありません。
一時的に働けなくなることと、これから先ずっと働けなくなることも同じではありません。
ただ、
「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫」
とは限らないことを、身をもって感じました。
健康が大切だと分かっていても後回しになる
働き続けるために最も大切なのは、やはり健康です。
健康であれば、仕事を続けることも、新しい働き方を考えることもできます。
しかし、健康が大切だと分かっていても、実際に自分の健康管理を優先できる人は、それほど多くないと思います。
朝から晩まで仕事をして、帰宅後は家事や子どもの相手をする。
休日には、買い物や家族の予定が入る。
家族の生活を優先し、仕事を優先しているうちに、自分のことは後回しになっていきます。
家族思いでありながら、自分の食事、運動、睡眠、健康診断まで完璧に管理できる人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
むしろ、家族を大切にする人ほど、
「自分はまだ大丈夫」
と無理を続けてしまうことがあります。
健康管理を完璧にする必要はありません。
ただ、身体の変化を感じた時に我慢し続けないことや、健診を受けること、休む時間を確保することなど、できる範囲で自分の身体にも目を向ける必要があります。
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貯金を増やしたくても、思うようにはいかない
働けなくなった時に備えて、貯金を増やしておくことは大切です。
しかし、現実には、計画どおりにお金を残せる家庭ばかりではありません。
子どもが高校や大学へ進学すれば、学費や交通費、生活費がかかります。
住宅ローンや車の支払い、家の修繕費などが重なることもあります。
物価が上がれば、今までと同じ生活を続けるだけでも支出は増えていきます。
将来のために貯金した方がいいと分かっていても、今の家族の生活を優先すれば、十分なお金を残せないこともあります。
また、支出を減らすことにも限界があります。
食費や光熱費を見直すことはできても、子どもの学費や住宅ローンを簡単になくすことはできません。
そのため、
「貯金をしておけば安心」
という言葉だけでは解決できない家庭も多いと思います。
資格を取れば安心できるわけではない
将来に備えて、資格を取ろうと考える人もいます。
資格は、働き方の可能性を広げる一つの方法です。
これまでできなかった仕事に応募できたり、自分の知識を証明できたりすることもあります。
しかし、資格を取ったからといって、すぐに収入が増えるとは限りません。
資格を活かせる職場や仕事がなければ、持っているだけになってしまうこともあります。
また、資格だけではなく、実際の経験や周囲からの信頼を求められる仕事も多くあります。
年齢によっては、資格を取っても未経験の仕事に就くことが難しい場合もあるでしょう。
資格を取ること自体が目的にならないように、
- その資格をどこで使うのか
- どのような仕事につなげたいのか
- 取得後に経験を積める環境があるのか
まで考える必要があります。
関連:50代・60代で仕事が見つからない人へ|今できる現実的な考え方
副業を始めれば解決するとも限らない
収入源を増やすために、副業を勧める情報も多く見かけます。
副業がうまく軌道に乗れば、会社の収入が減った時の助けになるかもしれません。
自分に合った仕事が見つかれば、将来の独立や働き方の選択肢につながることもあります。
しかし、副業は、始めれば誰でも収入を得られるものではありません。
自分に合う副業を探し、仕事として成り立たせるまでには、時間がかかります。
思ったほど収入にならなかったり、費用だけがかかったりする場合もあります。
簡単に稼げるという話を信じて、高額な教材やサービスを購入し、かえってお金を失う人もいます。
さらに、仕事に追われて一日が終わる人や、帰宅後に家事や育児を担っている人には、副業を始める時間そのものがありません。
睡眠時間や家族との時間を削って副業を続ければ、健康を崩してしまう可能性もあります。
副業は選択肢の一つですが、すべての人に向いている備えではありません。
将来のためだけに人脈を作るのは難しい
仕事を続ける中で、人とのつながりを増やしておくことも大切です。
過去に一緒に働いた人や取引先との縁が、転職や独立につながることもあります。
困った時に相談できる相手がいるだけでも、心強いものです。
ただし、
「将来、自分の役に立ってもらうため」
という気持ちだけで人脈を作ろうとしても、相手には伝わってしまいます。
人との信頼関係は、必要になった時に急に作れるものではありません。
日頃から誠実に仕事をし、相手の役に立ち、関係を大切にしてきた結果として、少しずつ生まれるものです。
人脈を備えとして利用するのではなく、今の仕事や生活の中で、一つひとつの縁を大切にすることが、結果的に将来の支えになるのだと思います。
すべてに備えられる完璧な人はいない
働けなくなった時に備える方法として、
- 健康管理
- 貯金
- 支出の見直し
- 資格取得
- 副業
- 人とのつながり
などが挙げられます。
どれも間違ってはいません。
しかし、すべてを同時に、理想どおりに実践できる人はほとんどいません。
家族を支えながら十分な貯金をし、自分の健康にも気を配り、仕事をしながら資格を取り、副業まで成功させる。
そこまでできる人がいるとしても、決して一般的ではないと思います。
できない自分を責める必要はありません。
大切なのは、世間で言われている備えをすべて実行することではなく、自分の状況に合った方法を考えることです。
必要な備えは人によって違う
働けなくなった時の備えに、誰にでも共通する正解はありません。
独身で一人暮らしをしている人と、子どもの学費や住宅ローンを抱えている人では、必要な備えが違います。
夫婦共働きの家庭と、一人の収入で家族を支えている家庭でも違います。
会社員と自営業者では、利用できる制度や収入が止まった時の影響も異なります。
健康状態、家族構成、貯金、借金、年齢、仕事の経験によっても、優先順位は変わります。
そのため、最初に考えたいのは、
「何を備えるべきか」
ではなく、
「今の自分は、何が止まると一番困るのか」
ということです。
収入が止まることなのか。
自分が倒れた時に家族の生活が回らなくなることなのか。
住宅ローンや学費を払えなくなることなのか。
今の仕事以外にできることがないことなのか。
自分にとって最も弱い部分を知ることで、優先して考えるべき備えが見えてきます。
関連:50代・60代の働き方に迷ったとき|仕事を続ける・辞める・小さく働く考え方
まずは今の状況を知ることから始める
将来の不安を完全になくすことはできません。
どれだけ健康に気をつけても病気になることはあります。
貯金があっても、予想以上の支出が重なることもあります。
資格や副業が、思うように仕事につながらない場合もあります。
それでも、何も考えずに過ごすのと、自分の状況を一度確認しておくのとでは違います。
例えば、
- 毎月最低限必要な生活費はいくらか
- 収入が止まったら何か月生活できるか
- 自分が休んだ時に利用できる制度があるか
- 住宅ローンや保険はどうなっているか
- 今の仕事以外に活かせる経験や技術は何か
- 体調面で気になっていることはないか
このようなことを、できる範囲で確認してみるだけでも、漠然とした不安は少し具体的になります。
すぐに貯金を大きく増やしたり、副業を成功させたりする必要はありません。
まずは、今の生活が何によって成り立っているのかを知ることが、備えの第一歩です。
関連:老後資金が不安な人は何から考えればいいのか|50代・60代からできる現実的な備え方
できることを一つだけ始めればいい
将来に備えようとすると、やるべきことが多すぎて、何から始めればいいのか分からなくなります。
健康、お金、資格、副業、人間関係。
すべてを一度に変えようとすれば、長くは続きません。
だから、完璧に備えようとしなくてもいいと思います。
例えば、
- 健康診断の結果をもう一度確認する
- 毎月の生活費を書き出してみる
- 保険や会社の制度を確認する
- 自分の経験や資格を整理する
- 月に一度だけ支出を見直す
- 身体に異変を感じたら早めに休む
今の自分にできることを、一つだけ始めれば十分です。
小さな備えであっても、続けることで将来の選択肢は少しずつ増えていきます。
働けなくなる可能性は誰にでもある
働けなくなることは、特別な人にだけ起こる出来事ではありません。
元気に働いている人にも、病気やケガ、会社の事情、家族の介護などによって、仕事を続けられなくなる可能性があります。
だからといって、将来を怖がり続ける必要はありません。
一時的に働けなくなることと、人生が終わることは違います。
働き方を変えたり、生活を見直したり、周囲の助けを借りたりすることで、新しい道が見つかることもあります。
将来に備える方法に、誰にでも当てはまる正解はありません。
健康も、お金も、資格も、副業も、人とのつながりも、それぞれ意味があります。
ただ、すべてを完璧に備えられる人はいません。
まずは、
「自分が今、働けなくなったら何に一番困るのか」
を一度考えてみてください。
そして、今の自分にできることを一つだけ始める。
それが、現実的な備えの第一歩になるのだと思います。

