この記事では、私がご相談を受ける際にどんな視点で状況を整理し、
どのように「無理なく一歩だけ前へ進める提案」を作っているのかをまとめました。
相談をご検討の方が「この人はどう考えて答えを作るのか」を知るための参考にしていただければ十分です。
オンラインでご相談を受けるとき、私はまず
「今の状況から、どうすれば一歩だけ前へ進めるか」
という一点だけを大切にしています。
正論や理想論はいくらでも語れます。
でも、人は分かっていても動けない時があります。
だから私は、いただいた文章を丁寧に読み取りながら、
相談者の性格・体力・環境の中でも無理なく選べる一歩へと整理し直していきます。
ここでは、そのために私が頭の中で行っている
ヒロシ式・問題整理の5ステップをまとめました。
興味のある方だけ、ゆっくり読んでいただければ十分です。
STEP1|いただいた文章から「事実・感情・環境」を切り分ける
オンライン相談では、最初の文章がすべての入口になります。
その中には、
- 事実(実際に起きていること)
- 感情(どう感じているか)
- 思い込みや心配
- 環境(変えられる要因/変えられない要因)
こうした複数の要素が混ざっています。
混ざったままでは問題の形がはっきりしないため、私はまずここを丁寧に分けます。
文章には表情や声色がありません。
だからこそ、言葉の選び方・行間・言いよどむ部分から、
その人が本当に困っている“根っこ”を慎重に探します。
※相談する際、書くときのコツが分からない方へ(簡単3ポイント)
- いま起きていること(事実)を書ける範囲で一つだけ
- その中で特に困っていること(気持ち)を一つだけ
- どうなれば少しラクになれるか(希望)を短く一言
この3つだけで、STEP1〜STEP3で私が知りたい情報は十分そろいます。
より詳しい書き方は、相談内容の書き方ガイドをご覧ください。
STEP2|「今どちらの方向へ向いているか」を読み取る
次に、文章の流れから
「この方は、いま何を望んでいるのか」
という“向き”を確認します。
大げさな人生の決断ではなく、
現時点での“暫定的な方向性”
をつかむイメージです。
- 今の場所で頑張りたいのか、環境を変えたいのか
- 休みたいのか、動きたいのか
- 心の余裕を優先したいのか、収入や働き方を優先したいのか
方向性が分かれば、選ぶべき行動は自然と絞れてきます。
私は文章の中から、相談者の“向いている方向”を見落とさないようにしています。
STEP3|今の状況で「無理なく選べる案」をいくつか考える
問題の輪郭と方向性が見えてきたら、
今できる範囲での選択肢
をいくつか並べます。
このとき私は、あえて正論だけでは判断しません。
多くの方は、すでに頭では正論を理解しているからです。
そうではなく、
性格・年齢・体力・家族・仕事の状況
などを踏まえたうえで、
「これなら無理なくできそうだ」と思える選択肢だけを拾い上げます。
STEP4|「まずはこれ一つ」に絞る
人は、一度にいくつもの行動を変えることはできません。
だから私は、複数の案の中から
“まずは、ここから一つだけ”
という行動案へと絞り込みます。
オンライン相談では、こうして選んだ内容を
レポート形式でまとめてお届けします。
「なぜこの一歩なのか」という理由も、分かりやすく添えるようにしています。
STEP5|“逃げ道”もちゃんと残す
どれだけ良い案でも、すぐに実行できるとは限りません。
行動には、「腹が決まるまでの時間」が必要な場合も多いからです。
そのため私は、相談者の方を追い込むような提案はしません。
「今は動けない」という状態も、その人の現実として尊重します。
逃げ道があるからこそ、逆に動ける人もいます。
私は、相談者を変えるのではなく、
その人が動けるタイミングに“そっと寄り添いながら道筋を示す役割”
でありたいと考えています。
さいごに|正論ではなく「動ける道」を一緒に探す
私は、誰かの人生を劇的に変える“魔法の答え”を出すつもりはありません。
それよりも、今の生活の中で、
確実に一歩だけ前へ進める現実的な道
を一緒に探すことを大切にしています。
迷いが続くとき、状況を整理するだけでも見える景色が変わります。
この5ステップが、その最初のきっかけになれば嬉しく思います。