自然には勝てない。だから、どう生きるのかを考える。

今月に入って、
青森県八戸市で震度6強を観測した地震を受け、
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されました。

また、私がお遍路に出かけた年の直前、
令和6年8月には、気象庁より
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されています。

こうしたニュースに触れるたびに、
改めて思うことがあります。

自然を相手に、人間は無力だということです。


お遍路の道中で見た「現実」

四国お遍路道沿いに設置された休憩・避難場所を示す案内マップ

四国お遍路の道中、特に高知県内では、
町のあちこちで津波避難タワーを目にしました。

高知県内に設置された津波避難タワー。南海トラフ地震に備えた地域の防災施設

かつては各地区にあった小さな公園や空き地が、
今では避難タワーに変わっている場所も少なくありません。

「一つの町に一つ」どころではなく、
想像していた以上の数が設置されている――
それが率直な印象でした。


高知という土地が抱える現実

太平洋に面した高知県では、
最短で約10分で津波が到達すると想定されている地域があります。

南海トラフ地震による巨大津波への注意を呼びかける高知県の案内看板

津波の高さも場所によって異なりますが、
15m〜20m
そして黒潮町や土佐清水市では
最大34mという全国最大級の想定もあります。

一方で、海の反対側には急斜面の山。
逃げ場が限られた地形の中で、
人々は日々の暮らしを営んでいます。


日頃は「自然の恵み」を受けながら

高知は、海の幸に恵まれた土地でもあります。

日常生活の中では、
自然の恵みを当たり前のように受け取っています。

しかし、ひとたび大きな災害が起きれば、
その自然は容赦なく牙をむく存在に変わります。


自然の摂理という考え方

自然の摂理とは、
万物を支配し、人間の都合では
逆らうことも抗うこともできない法則です。

人間は
太陽、水、空気といった
大自然の恵みを受けて生きる存在。

つまり――
私たちは自然の中で生かされている側なのです。


忘れてしまいがちなこと

毎日、便利で快適な生活を送っていると、
つい忘れてしまうことがあります。

そもそも人間は、
自然界の一部として生きている存在だということを。

自然に勝とうとするのではなく、
自然を前提として、
どう備え、どう向き合い、どう生きるのか。


年末に、少し立ち止まって考える

自然には勝てません。
だからこそ、共存していくしかありません。

それは災害への備えだけでなく、
人生や働き方にも、
どこか通じるものがあるように思います。

年末という節目に、
少し立ち止まって考えてみる――
そんなきっかけになれば幸いです。