ご縁 ― 人はひとりでは生きていけない
年齢を重ねるほど、「ご縁」という言葉の重みを感じるようになりました。生まれ育った環境、出会った人、選んだ仕事、乗り越えてきた出来事──そのすべてが、自分という人間を形づくっているのだと思います。
ひとつの出会いが新しい道を開き、何気ない言葉が人生を支えてくれたりする。反対に、当時はつらかった別れや挫折でさえ、あとになって振り返ると“意味のある出来事”としてつながっていることがあります。
そんな経験を通して、私は「人はひとりでは生きていけない」という、ごく当たり前のことにあらためて気づかされました。
人とのつながりが運んでくれたもの
これまでの人生を振り返ると、自分の意思で選んだように見える道も、実は“人とのつながり”がきっかけだったことがほとんどです。
職場の先輩からの一言で挑戦したこと。
友人の紹介から広がったご縁。
偶然知り合った人が、のちに大切な存在になったこと。
そういった小さな“点”の積み重ねで、今日の自分があります。
ご縁とは、ただの偶然ではなく、必要なときに必要な人と出会う仕組みなのかもしれません。
ご縁が教えてくれた、大切なこと
ご縁に助けられ、ご縁に救われ、ご縁によって道が拓けた瞬間がいくつもあります。その中でも、特に強く心に残っていることがあります。
ひとつめは、「人は思っているほど弱くない」ということ。
つらいとき、苦しいときに、そっと手を差し伸べてくれる人がいる。言葉にならない気持ちを察してくれる人がいる。そうした支えがあるだけで、人は前を向く力を取り戻せます。
もうひとつは、「人は思っている以上に誰かを支えている」ということ。
こちらが意図していない場面でも、自分の存在や言葉が、誰かの背中を押していることがあります。人との関わりは、一方通行ではありません。誰かに助けられ、誰かを助けて生きているのだと思います。
“ご縁を大切にする”という生き方
ご縁を大切にするとは、特別なことではなく、「今、この瞬間に向き合う」ことだと思っています。出会った人を大切にすること。いただいたご厚意に感謝すること。困っている人に手を差し伸べること。
そんな小さな積み重ねによって、ご縁は深まり、未来の自分を助けてくれる力になります。
これから新しい仕事を始めるにあたって、私はあらためて「ご縁」を大切にしたいと感じています。生活サポートでも、相談業でも、ご依頼いただく方との出会いは偶然ではなく、必然として受け止めたいと思っています。
最後に ― 感謝とともに
いま振り返ると、順調ではなかった時期ほど、人とのつながりに救われてきました。支えてくれた人、励ましてくれた人、見守ってくれた人──そうした方々のおかげで、私は今日も前に進めています。
これからも、ご縁を大切にしながら、ひとつひとつの出会いを丁寧に積み重ねていきたいと思います。
そして、このコラムを読んでくださったあなたとのご縁にも、心から感謝しています。

